ダイショー

投資家の皆様へ

To Investors

ごあいさつ

株主の皆様には平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
ここに、当社第57期(2022年4月1日~2023年3月31日)の事業概況をご報告させていただくにあたり、ひと言ご挨拶申し上げます。
食品業界におきましては、コロナ禍における巣ごもり需要の反動減や、原材料価格の高騰が利益を圧迫し、製品価格の改定に踏み切る食品メーカーが相次ぎました。
これにより、消費者の節約志向は一段と強まり、先行き不透明な事業環境のうちに推移しました。
こうした状況のもと、当社では、「『ダイショーらしさ』を追求し、企業価値の向上へ」をテーマに掲げ、2025年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画に基づく取り組みを開始しました。
同計画では、「『強み』に磨きをかけ、市場・顧客を開拓する」「強い体力づくりへの投資で飛躍の基礎を固める」「社会・社員から信頼される企業体制を構築する」という3つの戦略を柱として、厳しい経営環境を乗り越え、次世代に向けたさらなる社業の発展を目指します。
以上の取り組みの結果、当事業年度における売上高は、233億74百万円(前期比103.1%)となりました。
利益につきましては、増収を達成したものの、原材料価格や燃料価格の上昇の影響が大きく、営業利益は4億84百万円(同56.3%)、経常利益は4億97百万円(同57.2%)、当期純利益は3億10百万円(同55.3%)となりました。
なお、当期の配当につきましては、前期と同額の1株当たり18円とさせていただきました。
株主の皆様におかれましては、何卒一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
  • 代表取締役会長
    松本 洋助

  • 代表取締役社長
    松本 俊一

トップインタビュー

第57期の業績および期中の取り組みへの評価をお聞かせください。

液体調味料群の小売用製品において、「名店監修」シリーズの『名店監修 一風堂赤丸とんこつまぜそばの素』『名店監修 麺屋武蔵だし醤油まぜそばの素』が売上を牽引しました。
また、「韓国フェア」などの販促活動が奏功し、『ヤンニョムチキンの素』『サムギョプサルの素』などの精肉向け製品が好調に推移しました。
さらには、『すきやきわりした』が国内・海外ともに売上を伸ばしました。鍋スープでは、最需要期である秋冬市場に向け、タレントを起用したCMなどの販売促進に努めましたが、『博多もつ鍋スープ しょうゆ味』などの主力製品については厳しい状況が続きました。
こうした中で、「名店監修」シリーズの『名店監修鍋スープ すみれ札幌濃厚みそ味』『名店監修鍋スープ 一風堂博多とんこつ赤丸新味』が好調に推移し、売上を力強く牽引しました。
業務用製品では、『にんにく黒胡椒焼ソース』『アヒージョ風ソース』などの主力製品に加え、『お肉やわらかガーリック醤油ソテーソース』などの新製品を投入し、ラインアップの拡充に成功した精肉向けのオイルソースが大きく売上を拡大しました。
粉体調味料群においては、野菜おつまみメニュー調味料のキャンペーンを展開するなど販売促進に努めましたが、『味・塩こしょう』シリーズなどの小売用製品については、依然として厳しい販売状況が続きました。
その他調味料群においては、多様な嗜好に合わせて選べるようラインアップを充実した即食製品「スープはるさめ」シリーズ、および「オートミールde」シリーズが好調に売上を伸ばしました。
また、2022年12月には九州工場の屋上に太陽光パネルを新設し、環境やSDGsへの対応を強化しました。さらに、順調な売上拡大に伴うコストの軽減策として、商流・物流の分離をはじめとするプロセス改革による業務の効率化を進めました。

第58期の見通しについてお聞かせください。

新型コロナウイルス感染症の位置づけが、2023年5月8日より感染症分類の2類から5類に変更となりましたが、人混みや室内でのマスク着用など、新たなガイドラインの模索や生活習慣によるウイルスとの共存が求められます。
また、長引くウクライナ危機と円安基調にともなう原材料および光熱費の高騰などの厳しい経営環境は今後も続くものと予想されます。
さらには、少子化も政府予測を上回るペースで進展しており、社会や市場の不透明な先行きに対し、柔軟かつ合理的な対応が求められます。
当社では、前中期経営計画の3か年を通じ収益改善に取り組んでまいりましたが、取り組みを上回る経営環境の激変により、さらなる改善が求められています。
製品アイテム数の飽和、工場の稼働率や管理コストなど経営の効率化に取り組みつつ、激化の一途をたどる商品の競争のなかで的確に自社の方向性やポジションを見定めながら一層の売上拡大を図るべく、当社は「『ダイショーらしさ』を追求し、企業価値の向上へ」をテーマに掲げる新中期経営計画の3本の戦略的柱の取り組みを加速してまいります。
まず、「『強み』に磨きをかけ、市場・顧客を開拓する」では、高付加価値の製品開発による売上拡大でコストの増加を吸収するとともに、既存ラインアップの収益力を見極める選択と集中により、適正な利益を確保してまいります。
次に、「強い体力づくりへの投資で飛躍の基礎を固める」では、商流・物流の分離などのプロセス改革による業務効率化を進めつつ、ITの活用による業務デジタル化も推進してまいります。
また、円安局面のなか、東アジアを中心に着実に売上が拡大している海外市場への取り組みをさらに加速します。
今後は中国や香港、東南アジア向けの販売に注力するとともに、宗教上の戒律があるイスラム教徒向けの食事やサービス提供を拡充すべく、原材料調達・生産・倉庫などの全ラインで対策を検討してまいります。
設備投資につきましても、建設資材の高騰や建設従事者の人手不足といった昨今の投資環境を考慮し、着手のタイミングを見極めつつ、フル稼働を続けている関東工場の生産設備増強を早期に計画の俎上に載せていきたいと考えています。
さらに、「社会・社員から信頼される企業体制を構築する」につきましては、「会社の成長の基盤は人である」という当社の信条を念頭に、制度面、環境面から多様な人材が活躍できる仕組みを創出します。
また、社会からの信頼は、企業の持続的な成長に不可欠な環境やSDGsへの対応の一環として、2022年12月に九州工場の屋上約3,300平米のスペースに1,500枚の太陽光パネルを設置しました。
以上の施策により、新中期経営計画の2年目となる第58期通期の業績見通しにつきましては、売上高は243億円、営業利益7億40百万円、経常利益7億40百万円、当期純利益4億60百万円を予想しております。
今後もダイショーの経営理念である「おいしさで・しあわせをつくる」を価値創造の基本としつつ、当社の強みである開発力と提案力を研ぎ澄まし、お客様・お取引先各位との信頼関係を大切にしながら全社一丸となり、事業のさらなる成長と業務の一層の効率化に努めてまいります。